小酒井不木の短編小説。
【書き出し】
ニューヨーク市、西第七十街のあるアパートメントに、グレース・ウォーカーという四十前後の女が住んでいた。おもて向《むき》は極めて静かな生活をしていたけれど、警察はかねてから彼女に目をつけていた。というのは彼女は一口にいえば待合のようなものを営んで、多くの良家の子女に恥かしい行為を勧めていたからである。ところが、あるときヴァイオレット・リオナードという十五歳になる女を取持っていたとき、警察に踏み込まれて、少女はある感化院に送られ、彼女も拘引されて相当の処罪を受けた。
(良い)
(普通)
(悪い)