堀辰雄の短編小説。
【書き出し】 ……一つの小径《こみち》が生い茂った花と草とに掩《おお》われて殆ど消えそうになっていたが、それでもどうやら僅かにその跡らしいものだけを残して、曲りながらその空家へと人を導くのである。もう人が住まなくなってから余程になるのかも知れぬ。それまで西洋人の住まっていたらしいことは、そのささやかな御影石《みかげいし》の間に嵌《は》めこまれた標札にかすかに A. ERSKINE と横文字の読めるのでも知られる。
1. あいびき
(良い)
(普通)
(悪い)